ユニチャーム、ペット用品一堂に、専用棚「ついで買い」誘う、フード・トイレシートなど、HC500店に設置(2017/11/20)

 ユニ・チャームはホームセンター(HC)を対象にペット関連商品の新しい売り場展開を始める。店内で陳列場所が分散している自社商品をまとめて展示する専用の棚を開発。来店客に関連商品の「ついで買い」を促し、客単価のアップにつなげる。2018年春にまず小型犬用の棚の展開を開始。18年中にも全国500店への設置を目指す。

 ペット用品にはペットフードやペット用玩具、排せつ物処理用のペットシートなど様々な商品ジャンルがある。

 現状、ホームセンターではこれらの商品は食品や玩具、トイレタリー用品といったジャンルごとに陳列場所が分かれているため、来店客にとっては目当ての商品を探すことが手間となっている。さらにペット関連商品は特定商品の目的買いが多く、購入客の店舗での滞在時間が短いため、関連商品の「ついで買い」を促すこともできていないという。

 新型の陳列棚「小型犬ステーション」はペットフードやトイレタリー用品など5種類の商品を集中展示できる。中部地方を地盤とするホームセンターバロー(岐阜県多治見市)の店舗に試験的に設置した。導入した店舗では以前と比べ、小型犬向けのペット商品の売り場に立ち寄る来店客数が6.4倍に増加。滞在時間も1.8倍に拡大し、関連商品の販売が3割程度伸びたという。

 ペット関連商品市場に占めるホームセンター経由の販売は全体の6割弱を占める。市場の成長は続くものの、インターネット通販の台頭などで販売チャネルが多様化し、競争環境は厳しくなっている。ユニチャームは増収効果をアピールし、全国の有力ホームセンター20社程度に新型の陳列棚の設置を働きかける。

 「ついで買い」を促す売り場づくりへのホームセンター側の関心は高いとみて、大型犬用や猫用でも同様の売り場展開を目指す考え。さらに陳列棚を工夫し、集中展示できる商品の点数も増やす計画だ。

 ユニ・チャームのペットケア事業の17年1~6月期の売上高は377億円。連結売上高の1割強を占める規模に成長し、事業別の営業利益では前年同期比79%の大幅増益を達成した。買い主の付加価値志向の高まりもあり、主力の紙おむつなどに続く収益の柱となっている。