越境ECで中国向け回復、前期、ユニ・チャーム、9.8%増益(2018/02/19)

ユニ・チャームが発表した2017年12月期の連結営業利益(国際会計基準)は前の期に比べて9.8%増の868億円だった。中国での販売に苦戦していたが、インターネット通販で海外に売る「越境EC(電子商取引)」の活用を活発にしたことで、子ども用の紙おむつを中心に回復した。

中国を中心とするアジアの営業利益は6.8%増の239億円。16年12月期は30.8%減の223億円だった。

中国では普及価格帯の「マミーポコ」ブランドの紙おむつを現地の工場で生産し、販売してきたが、生活水準の向上に伴い、中国の消費者は価格が多少高くても日本製を求める傾向が強まっている。高原豪久社長は「プレミアム品を売り出すのが競合他社と比べて遅れた」と認める。

既存の越境ECサイトに積極的に取り扱ってもらうようにしたところ、ECによる中国への輸出額は前の期の2.4倍となった。日本製の紙おむつ「ナチュラルムーニー」シリーズが人気で、有機栽培の綿などの自然素材を配合した最上位品だ。同じく価格は日本製の「ムーニー」の1.5倍する。

製品を紹介する動画も製作し、インターネットで中国に配信した。高原社長は「よりよい育児をしたいという意識の高い母親たちに受け入れられている」と説明した。

18年12月期の連結営業利益は8.2%増の940億円を目指している。「中国では紙おむつのプレミアム化がさらに進み、業績のけん引役となる。販路を拡大して収益性を高めていきたい」と述べた。