ユニ・チャームはインドで紙おむつの新工場を建設し、2018年春に稼働させる。インドの工場は3カ所目で、同国の紙おむつの生産能力を1・5倍に増やす。国連児童基金(ユニセフ)によると、インドの年間出生数は世界最多の2500万人超。経済発展に伴い紙おむつを使う世帯が急増しており、生産拡大で「赤ちゃん超大国」の需要を開拓する。
100億~200億円を投じ、印西部グジャラート州アーメダバードに新工場を建設する。西部ラジャスタン州と南部タミルナド州の工場に続く第3工場となる。3拠点体制が動き出せば、インドの生産能力はこれまでの1.5倍に拡大する。
ただ、ラジャスタンの工場は10月、火災で全焼している。19年の同工場の再稼働を目指すとともに、グジャラートの新工場の稼働を極力前倒しし、伸びる紙おむつ需要を取り込んでいく。
ユニ・チャームは09年、インドの紙おむつ市場に参入。主力の「マミーポコ」ブランドなどを展開する。市場シェアは3割超で、米プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)と首位を争う。
新興国では何度も洗って使える布おむつが一般的だが、インドは経済成長に伴い、紙おむつの普及率が上昇している。最近は品質の高い日本ブランドの引き合いも増えており、ユニ・チャームのインド事業は17年12月期に営業黒字化を目指す。
ユニ・チャームはミャンマーやサウジアラビアでも現地生産しており、アジア・新興国の紙おむつ需要の取り込みを急いでいる。中国でも現地生産に加え、インターネット通販を通じた日本製品の輸出を拡大している。
紙おむつは1人あたり国内総生産(GDP)で3000ドルが普及が加速する目安とされる。東レが中国で材料であるポリプロピレン(PP)不織布の新工場の建設を決めるなど、日本の素材メーカーも需要開拓の布石を打っている。